古琴
古琴(グーチン)は中国の七弦の琴です。フレットのない長い板状の楽器で、右手で弦を弾き、左手で弦を押さえ、滑らせ、軽く触れて泛音を出します。古くから学者や文人の楽器であり、音量よりも繊細さが尊ばれてきました。

解説
その歴史の大半を通じて、この楽器は単に琴と呼ばれていました。二十世紀までに琴はピアノをはじめ多くの楽器を指す語になったため、区別のために「古い」を意味する古が付けられました。
楽器
古琴は非常に音が小さく、音域はおよそ四オクターヴで、開放弦は低音域にあります。最低音はチェロの最低音とほぼ同じです。表面には、螺鈿などを嵌め込んだ十三の点、徽が並んでいます。徽は、弦に軽く触れると澄んだ泛音が得られる位置を示しています。
伝統的に、表板は梧桐で作られ、天を表すように丸く、裏板は梓で作られ、地を表すように平らにされました。弦はかつては必ず撚った絹でした。今ではほとんどの奏者がナイロン巻きの鋼弦を用いていますが、絹の音に代わるものはないと主張する人も今なおいます。
聴きどころ
古琴の音楽は三種類の音から成り立っています。散音は開放弦を弾いた音です。泛音は徽の位置で弦に触れて出す、軽く鐘のような倍音です。按音は左手で弦を押さえて出す音で、弾いた後に左手が弦の上を滑ることが多く、一つの音が曲がり、揺れ、移ろっていきます。奏者は、音が消えた後に弦の上を動く指のかすかな音さえ大切にします。この楽器は静かな部屋や親しい友人との小さな集まりのためのものでしたから、耳を澄まし、小さな音量で聴いてみてください。
小史
伝説は古琴の発明を中国先史時代の聖王たちに帰し、古い琴譜もこれを繰り返していますが、今では神話とみなされています。この楽器は三千年近く前の文献に登場し、約2,500年前の墓からは実物が見つかっています。書や画と並んで、教養ある士人が身につけるべき芸の一つに数えられ、多くの曲が孔子をはじめとする著名な人物の名と結びついています。
古琴の音楽は、音高やリズムではなく、弦、指の位置、奏法を記す奏法譜(タブラチュア)で書き記されます。減字譜と呼ばれる簡潔な形式は唐代に現れ、明代以降は非常に多くの琴譜が刊行されました。リズムが記されないため、古曲を復元する作業は打譜と呼ばれ、長い解釈の積み重ねを要します。ユネスコは2003年に古琴の音楽を「人類の口承及び無形遺産の傑作」と宣言しましたが、知られている数千曲のうち、日常的に演奏されるのは百曲ほどにすぎないことも指摘しています。
よくある質問
- 古琴とはどんな楽器ですか?
- 古琴は中国の撥弦の琴で、七本の弦を持ちフレットはなく、泛音の位置を示す十三の徽が嵌め込まれています。静かな楽器で、古くから学者や孔子と結びつけられてきました。
- 古琴と古箏の違いは何ですか?
- どちらも中国の長い琴ですが、古琴は七弦で柱がなく、板の上で弦を押さえて音高を変えます。古箏ははるかに多くの弦を持ち、一本ごとに可動式の柱で支えられています。
- 古琴の音楽はどのように書き記されますか?
- 奏法譜(タブラチュア)で書かれます。合成された一つひとつの文字が、どの弦を弾くか、どの指でどう弾くか、どこで弦を押さえるかを奏者に伝えますが、リズムは記されません。リズムは師から学ぶか、奏者自身が読み解きます。