祭囃子
祭囃子は日本の地域の祭りの音楽です。祭りの日に町内の奏者たちが笛、太鼓、小さな鉦で奏でるもので、山車の上や行列のかたわらで演奏されることがよくあります。
解説
全国に共通する一つの形はありません。祭りごとに独自の音楽が伝わり、曲は賑やかなものから、ゆるやかで静かなものまでさまざまです。関東地方だけでも江戸囃子、神田囃子、葛西囃子といった名のある地域の様式があり、京都では祇園囃子が祇園祭のものとして伝わっています。
聴きどころ
ほとんどの囃子は、三つの系統の楽器を組み合わせます。旋律を担うのは笛で、ふつうは竹の篠笛ですが、能管や龍笛が使われることもあります。太鼓が土台をつくります。中音域の締太鼓、低い大太鼓、そして所によっては団扇太鼓や体に担ぐ太鼓も用いられます。手に持つ小さな鉦である摺鉦や当り鉦が、明るい高音のパートを加えます。地域によっては弦楽器や歌、掛け声が加わります。金属の音が太鼓を突き抜けて響くさま、そしてその上に漂う笛の旋律に耳を傾けてください。
京都の祇園祭では、奏者たちが背の高い山鉾の中に座り、山鉾が通りを曳かれていくあいだ太鼓と笛を奏でます。舞台にとどまるのではなく町の中を移動していく音楽。その情景を思い描くことが、このジャンルを聴くよい手がかりになります。
奏でる人々
奏者はふつう専門家ではありません。地元の神社や寺の氏子・檀家で、祭りのために音楽を習い、祭りの日にだけ演奏します。パートを男の子だけ、あるいは女の子だけに限る土地もあります。加わる数少ない専門家には、神楽の演者、邦楽の奏者、神職などがいます。
略史
祭りごとに独自の音楽があるため、祭囃子を一つの源流にたどることはできません。関東の様式については、鎌倉に起源を求める説と葛西に求める説が対立しており、どちらも確かめられていません。
このページの録音
ここにある唯一の録音は長崎のものです。長崎で最もよく知られた祭り、長崎くんちは、16世紀後半に秋の収穫祭として始まり、1614年に諏訪神社が創建されたのちにその祭礼となりました。その龍踊り、蛇踊は祭りで最も名高い演し物の一つです。もとは長崎に住む華人が大晦日に演じたもので、日本の祭りの音楽と、中国の龍舞や獅子舞の伝統とが出会う場所に位置しています。
よくある質問
- 祭囃子とは何ですか?
- 祭囃子は日本の祭りの音楽で、神社や寺の祭りのあいだ、地域の奏者たちが笛、太鼓、小さな鉦で演奏します。祭りごとに独自の曲が伝わっているため、標準となる一つの形はありません。
- 祭囃子ではどんな楽器が使われますか?
- ふつうは篠笛などの竹の笛、締太鼓や大太鼓などの太鼓、そして当り鉦などの小さな鉦です。地域によっては弦楽器や歌、掛け声が加わります。
- 日本の祭りの音楽を演奏するのは誰ですか?
- 主に地元の神社や寺の共同体に属する愛好家で、祭りのために音楽を習い、祭りの日にだけ演奏します。専門家はまれです。