雅楽

日本

雅楽は日本の宮廷音楽です。皇室に伝わる管弦と舞の音楽で、アジア大陸から伝来したレパートリーと、日本固有の歌や舞から成り立っています。ユネスコは雅楽を、日本の伝統芸能のなかで最も古いものと位置づけています。

まだ録音がありません。

解説

雅楽は今も皇居での饗宴や儀式で演奏され、全国の劇場でも上演されています。宮内庁式部職楽部の楽師が弟子たちにこれを教えており、楽師の多くは、この芸と長くかかわってきた家の出身です。

聴きどころ

雅楽の曲はどれも一つの主旋律を土台としており、それぞれの楽器が独自の形でその旋律を、ふつうは暗譜で奏でます。まず篳篥に耳を傾けてください。鼻にかかった、迫るような音色の小さなダブルリードの管楽器で、旋律を担い、音と音のあいだを滑るように動きます。その上で龍笛という横笛が、同じ旋律の変奏を高い音域で吹きます。両者の背後では、竹の管を束ねた笙が音の重なりを持続させ、音楽にゆるやかで揺らめくような和声を与えます。

管絃と呼ばれる演奏会の形式では、管楽器に弦楽器が加わります。琵琶が単音や和音を鳴らし、箏が反復する音型を奏でます。打楽器は控えめです。大きな太鼓が各楽句の主な拍を示し、鉦鼓がそれを支え、小さな鞨鼓が合奏全体を率いてテンポの変化をつかさどります。舞を伴う舞楽では、弦楽器は用いられません。

略史

雅楽はいくつもの源流から成り立っています。左方の音楽である唐楽は、主に唐代中国の宴の音楽に由来します。右方の音楽である高麗楽は朝鮮半島から伝わりました。8世紀には、インドや現在のベトナムにあたる地域の音楽も伝来しています。これら外来の様式に、日本固有の形式が結びつきました。神道や宮廷と結びついた古い歌と舞である国風歌舞、そして器楽の伴奏を伴う詩歌の歌唱です。

雅楽は平安時代、10世紀ごろにほぼ現在の形になりました。今日の宮中の楽師の多くは、1868年の明治維新の後に東京へ移った楽人たちの子孫です。日本政府は1955年に雅楽と舞楽を重要無形文化財に指定し、ユネスコは2009年に雅楽を人類の無形文化遺産の代表一覧表に記載しました。

雅楽は宮中の外にも広がっています。宮中に伝わる神道の祭祀音楽である御神楽も雅楽の一部に数えられます。神楽をご覧ください。

Kotoneでは

Kotoneにはまだ雅楽の録音がありません。以前あった1941年の市販レコードは、自由に共有できるものではないことがわかったため、取り下げました。1928年以降の日本の雅楽のレコードは、2029年から年ごとに米国でパブリックドメインとなっていきますので、そのたびに追加していく予定です。

よくある質問

雅楽とは何ですか?
雅楽は日本の伝統的な宮廷の音楽と舞で、唐代中国や朝鮮半島から伝わったレパートリーと、日本固有の歌や舞を組み合わせたものです。10世紀ごろまでにほぼ現在の形となり、今も宮内庁式部職楽部によって演奏されています。
雅楽ではどんな楽器が使われますか?
管楽器は篳篥(旋律を担うダブルリードの管楽器)、龍笛、笙です。管絃の曲ではこれに琵琶と箏が加わり、打楽器は鞨鼓、太鼓、鉦鼓です。
雅楽は今も演奏されていますか?
はい。皇居での饗宴や儀式、そして全国の劇場で演奏されており、宮内庁式部職楽部で楽師から弟子へと受け継がれています。
管絃と舞楽の違いは何ですか?
管絃は管楽器・弦楽器・打楽器による演奏会の音楽です。舞楽は舞のための音楽で、弦楽器を用いずに演奏されます。